実存と構造 (集英社新書)

実存と構造 (集英社新書)

 うう、つまんない本は捨てるべきだと書いたばかりなのに、またつまらない本を読んでしまった。この1冊だけ持って美容院に行ってしまったのでしょうがなかったんだ・・・。

 実存主義構造主義の考えをごく簡単に示したのち、大江健三郎中上健次などをそれらの理論をつかって批評するという、文学理論入門書みたいな内容。思考モデルとしての実存と構造を提示するって言ってるわりに、文学批評に終始しているので拍子抜けでした。高校一年生のときに読めば面白かったと思う。

 「構造」を理解して相対化した視点を得ることを、苦しんでいるのは自分だけじゃない、という慰みになる、と書いているだが、僕はそんなことを人生の慰みとは感じないし、そんなくだらないことのために構造主義が栄えたわけじゃないと思うなぁ。

 志賀直哉の『暗夜行路』が構造主義小説であるという指摘は、確かにそうだね、という感じ。

 

 

四月は君の嘘(6) (四月は君の嘘 (6))

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